概要-社会不安障害-

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○様々な脳領域

・脳の委縮

全般性社会不安障害者の扁桃体は約13%委縮している(Irle et al., 2010)。右扁桃体の大きさと状態不安の強さの間に負の相関関係がある(Irle et al., 2010)。しかし、扁桃体の委縮は男性にだけ認められることがある(Irle et al., 2010)。

全般性社会不安障害者の海馬は約8%委縮している(Irle et al., 2010)。右海馬の大きさと社会不安の強さに負の相関関係がある(Irle et al., 2010)。女性では、左右の海馬で委縮の程度が異なるかもしれない(Irle et al., 2010)。

・人前でのスピーチに対する不安(fMRI)

人前での即興のスピーチを予告し、スピーチに対する不安を煽る実験が行われている。スピーチに対する不安を煽った場合、辺縁系(扁桃体・鉤・海馬傍回)、外側傍辺縁帯(島皮質・側頭極)・脳幹(橋前部)、線条体(腹側被殻・淡蒼球)の活動が増加し、背側前帯状皮質・背側前頭前野の活動が減少する(Lorberbaum et al., 2004)。

・人前でのスピーチ中の脳活動(PET)

人前でのスピーチ中の脳活動を調べる研究が行われている。スピーチ中では、右扁桃複合体の局所脳血流量が増加し、両側島皮質・右側頭極・眼窩前頭前野では減少する(Tillfors et al., 2001)。脳血流量の増加は右頭頂葉・右二次視覚野で少なく、両側鼻周囲皮質・両側脳梁膨大後皮質では増加がない(Tillfors et al., 2001)。

○神経連絡

・扁桃体と眼窩前頭前野の連絡

扁桃体と眼窩前頭前野を結びつける鉤状束の白質経路の構造的異常が確認されている(Phan et al., 2009)。

○ドーパミン系

・D2受容体

D2受容体の結合能の低下が線条体において見い出されている(Franklin et al., 2000)。

・ドーパミントランスポーター

線条体で、ドーパミントランスポーターの密度が低下している(Tiihonen et al., 1997)。

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緘黙症
社会不安障害

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